「奥歯が痛い」症状を訴えてご来院される患者さんか多くいらっしゃいます。
数日前から歯茎がはれてきて…
口が開かなくなってきた…
噛むといたい…
原因は虫歯、歯周病などありますが、親知らずのために痛みを感じていることが多いです。
親知らずはみなさんもご存知の通り、1番に奥に生えてくる歯です。
つまり、歯磨きもなかなかしづらい場所にあります。
親知らずの語源
少し話はそれますが、親知らずの語源をご存知でしょうか。
『親が歯を磨く乳児の歯の生え始めとは違い、親がこの歯の生え始めを知ることはないため、親知らずという名が付いた。
他方、『日本国語大辞典 第二版』(小学館) には、「親不知歯」として立項されており、「20~25歳ごろに生えるので、昔は親と死別していることが多いところから、この名がある」とある。「人生50年」といわれた医療技術が進展していなかった昔は、我が子の「親知らず」を見ずに亡くなる親が多かったのだろう。
異説では、乳歯を親に見立て、一般的な永久歯は乳歯が抜けた後に生えてくるが、親知らずは乳歯から生え変わらず、いきなり生えてくることが由来という説もある。』
参照:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9A
最も奥に生えてきますし、順番も1番最後に出てくることがわかります。
親知らずの痛みは虫歯の場合もありますが、歯の周りの歯茎が炎症してしまい、出血や痛みを伴っていることが多いです。
痛みを抑えるには消毒と抗生物質のお薬の服用などを行います。
数日すれば症状は消えていきます。
親知らずは抜いたほうがいい?
では、みなさんからよく質問がある「抜いた方がよいか?」について、抜くメリット、デメリットをお伝えします。
レントゲンを撮ってからの判断は必ず必要と思います。
親知らずは1番奥の歯です。ですので、上であれば、上顎洞という空洞と近い、そして、下であれば、下歯槽管という血管や神経が入っているものが近くにあります。
それぞれのリスクは
- ・上顎洞に穴が空いてしまう。
- ・下歯槽管が傷ついた場合、神経の一時的な麻痺や血管の損傷が起こる可能性がある。
メリット
- ・腫れる原因を根本からなくせる
デメリット
- ・上顎洞や下歯槽管と近いためリスクがある
- ・外科手術のため抜いた後に腫れや痛みがでることがある
また、親知らずは生え方に特徴があります。
他の永久歯と並びが同じくなる場合が多いですが、横に向いていたり、埋まっていたりします。
生え方によって、抜くための難易度も変わってきます。
これらのことを歯科医師の相談しながら決めていくとよいと思います。