親知らずの治療は歯科医院の選択が重要
親知らずは、20歳くらいに生えてくる大臼歯のことをさします。
第三大臼歯とも呼ばれます。
親知らずは最後に生えてくるので口内に十分な空間がなく、トラブルの原因となるケースが多くあります。
もし、親知らずが腫れて痛みを繰り返すことがあったり、隣接する歯や歯並びに悪い影響が出る可能性があれば、抜歯を検討します。
親知らずの診察前の注意点
親知らずの抜歯前に注意するべきポイントを紹介します。
- 常用薬の確認
- 普段から服用している薬があれば、事前に歯科医師に伝える必要があります。
薬の種類によっては、かかりつけの医院と相談をし、服用の中断が必要なケースもあります。
- 痛みが強いときは延期
- 抜歯の当日、腫れや痛みが強く出ている場合は、炎症が治まるのを待つ必要があります。
症状によっては延期をすることがベストな場合もあります。
歯の状態で気になる点があれば、事前に連絡をお願いします。
- 飲酒と睡眠
- 抜歯の前日は、多量の飲酒を避ける必要があります。
また、そのうえで十分な睡眠をとり、体調を整えていただくことが大切です。
- 治療時間
- 実際の治療時間は約15分~30分で終わります。
顎の骨が硬い場合や、歯根の形が複雑な方については、1時間程度を要することもあります。
- 妊娠や持病
- 妊娠中や妊娠の可能性がある方は、産婦人科の主治医に相談のうえ、抜歯をしてください。持病をお持ちの方についても、同様に主治医にご相談をお願いします。
必要があれば、当院で主治医あての紹介状を作成いたします。
- キャンセル
- やむを得ず予約の変更、キャンセルをする必要が生じた場合にはできるだけ早く連絡をお願いいたします。
抜歯後の日常生活のポイント
抜歯をした後の、生活でも注意が必要です。
- 麻酔の効いている間のケガ
- 抜歯では局部麻酔を使います。
麻酔は2時間~3時間程度、効果が持続するため、抜歯後から1時間くらいは麻酔が持続したままの状態となります。
そのため、皮膚の感覚が鈍くなっており、唇や舌、頬を誤って噛んでしまうケースがあります。
また、熱さも感じにくくなっているため、熱湯等によるやけどにも注意が必要です。
- うがいや歯磨き
- 抜歯後、傷跡の箇所に血の塊ができることがあります。
この血の塊は傷口をふさぐためのものです。
抜歯当日や翌日にはげしくうがいをしたり、歯ブラシでこすったりすると、血塊がとれてしますため、注意をしてください。
- 食事
- 食事については、刺激の強い物を避けてください。
また、物を噛む時には、抜歯をした方は使用せず逆側の歯で噛むようにしてください。
- 出血
- 抜歯後は血がとまっていることを確認して、帰宅をしてもらいます。
しかし、帰宅後に出血がはじまることもあります。
その場合は、ガーゼやティッシュを使用し、30分くらい噛んでください。
出血が止まらない場合には、布団や衣服を汚してします可能性がありますので、タオル等をしいて寝てください。
- 飲酒・喫煙
- 飲酒や喫煙は抜歯の日から、2~3日は控えてください。
- 入浴や運動
- 抜歯の当日は、身体を温めると痛みや腫れの原因となります。
入浴は湯舟につからず、シャワーだけにして、激しい運動も控えましょう。
抜歯後の腫れ・痛みがひどい場合
親知らずの抜歯後、人によりますが、ひどい腫れや痛みがでることもあります。
腫れや痛みのピークはだいたい術後、2~3日の間といわれています。
抜歯後には痛み止めを処方しますので、用法を守って服用をしていただき、様子を見てください。通常は1週間すれば、落ち着いてきます。
もし、1週間以上も腫れや痛みが続く場合は、歯科医院に連絡をしてください。
抜歯の当日に、痛みがひどくなった場合には、頬を冷やしてみるといいでしょう。
しかし、冷やすと血流が悪くなるため、治癒を遅らせることがあります。
翌日以降はしないでください。
親知らずの治療費
痛みのある親知らずを抜歯する場合、基本的には保険適用となります。
ただし、歯科矯正やインプラント、審美治療が目的の場合については、自己負担による治療となります。
保険が適用された場合については、3割負担になり、検査費用も含めて3千円~5千円程度となります。
しかし、検査の種類や親知らずの状況や症状により、治療費は変わります。
処置を受ける前に、説明をしますので、不明点は遠慮なく相談してください。